発熱と腰痛

発熱を伴う腰痛は全身疾患の可能性が高いです

発熱を伴う疾患

発熱は、全身症状です。細菌感染性の消化器官の炎症による発熱が考えられます。整形外科的な疾患(筋肉骨格系の損傷・障害)であれば、全身症状の熱や悪寒などの症状はほとんどおこりません。発熱と腰痛を同時に感じるのであれば、腰痛を単独で疑うよりも全身的な疾患を考えましょう。数ヶ月間での急激な体重減少がある場合も要注意です。

転移性骨腫瘍

体の別の部位にできた腫瘍が、骨に転移したものです。転移しやすいのは、腺癌系です。前立腺、乳腺、肺、腎臓、甲状腺などの癌の既往がある人は要注意です。微熱が出て、症状が徐々に強くなり、じっとしていても痛みがあります。激しい痛みや骨折も特徴です。骨盤に転移した場合、造血機能に異常があらわれるため、貧血などの症状がおこりやすいです。

化膿性脊椎炎

脊椎に細菌(黄色ブドウ球菌や緑膿菌、大腸菌など)が血行性に感染して、化膿します。40~50代の中高年や悪性腫瘍や糖尿病などを患った人や高齢者など、免疫機能が低下した人に発症しやすいです。急性の場合は高熱と腰背部の激痛、慢性の場合は比較的疼痛は軽く、熱も微熱程度でおさまります。膿がたまり、脊髄や馬尾を圧迫していると神経症状がでることもあります。

脊椎カリエス

肺から結核菌が、脊椎に血行性に感染します。抗がん剤やステロイドの使用による免疫力の低下や、高齢に伴って過去に獲得した結核の免疫力の低下などによって発症します。症状は、微熱、全身の倦怠感、易疲労感、そして腰背部痛などです。腰背部痛は、化膿性脊椎炎に比べて軽く、腰の曲げ伸ばしがしにくい程度の硬直があります。

急性腹膜炎

腹腔内のひとつの臓器に炎症が起こっている場合や、腹腔内で感染した臓器から細菌を含んだ内容物が広がったりすることで腹膜全体の炎症が起こります。嘔吐、発熱(38度以上)、腹部の圧痛と強い腹痛がみられます。腹膜炎は合併症を起こしやすいので、早急に治療を受けなくてはなりません。

急性虫垂炎

虫垂は小腸と大腸のつなぎ目の近くにある、指の形をした小さな管です。虫垂に何かがつまり、炎症を起こすと考えられています。炎症状態の虫垂をそのままにしておくといずれ破裂し、細菌を含んだ内容物が腹腔内へちらばって腹膜炎になることがあるので早急に治療を受ける必要があります。

吐き気、嘔吐、腹痛(みぞおち⇒下腹部⇒右下腹部へ痛みが移動)、右下腹部の部分で鋭い痛みになります。発熱(37.7~38.3度)が見られます。

急性膵炎

軽症のものから命にかかわるものまでありますが通常は治ります。原因は、胆石やアルコールの乱用などが多く見られます。上腹部中央の胸骨の下から、背中に突き抜ける激痛を感じます。咳込みや活発な動作や深呼吸をすると悪化し、前かがみになってすわると幾分痛みが和らぎます。吐き気が強く、嘔吐も起こります。発症直後の体温は正常値ですが、数時間すると37.7~38.3度に上昇します。胆石による膵炎の場合、痛みは突然始まり数分以内に最大の強さになりますが、その後は突き抜けるような痛みが数日間続きます。